2018/09/09
フィギュアスケート 動画で振り返る名選手・名場面紹介コーナー①

フィギュアスケート男子シングル名選手 ―デニス・テン―
ということで、今回から6回にわたり、いちフィギュアスケートファンとして 独断と偏見に基づき、個人的に気になる選手を思いつくままに紹介してみようと思います。 (趣味の話なので偏りがありますがご容赦ください。) 本日ご紹介するのはデニス・テン選手。
デニス・テン選手のスケーターとしての魅力
2013年の世界選手権フリーのデニス・テン選手の演技。FSプログラム:映画「アーティスト」 デニス・テン選手のスケートの魅力は沢山ありますが、 私が思う1番の魅力は “ 気品 ” だと思います。 何といっても演技中の姿勢が綺麗で、いつも優雅で凛とした姿を見せてくれました。 加えて衣装も音楽もセンスが良く、童顔でありながら 白い上品なシャツが似合う好青年でした。 それだけでなく、(ケガに悩まされることもありましたが)2015年の四大陸選手権では 4回転トゥループをSPとFSの併せて3本成功させる技術力と ジャズ、映画音楽、クラシックなど幅広く演じ分ける表現力も兼ね備えた バランスの良い正統派スケーターでした。普段のデニス・テン選手はどんな人だった?
2015年に日本の番組でデニステン選手が特集されていたのですが、 彼が教養ある優れた選手であることが分かる 興味深い内容でしたので、ここで一部をご紹介させて頂きます。 まずフィギュアスケートの魅力について問われると 「アクロバティック要素や振り付けを通しての芸術性のある唯一のスポーツだと思います そこに音楽もあるしユニークで信じられないほど複雑で面白いスポーツです」 プロのミュージシャンである母親の影響で7歳から5年間、音楽学校に通っていただけあって 「音楽はフィギュアスケートにとても重要で、融合していないとダメだと思います」 と、フィギュアスケートの音楽の重要性についても語っていました。 おそらく彼には音楽の素養があったからこそ リズム感溢れる上質な演技が出来ていたのだろうと思います。 ピアノや合唱も学んでいたとのことですが、 それらの経験すべてが彼の演技に活かされ、アスリートでありながら まさに「アーティスト」といった選手でした。
デニス・テン選手のスケート人生を振り返って思うこと
もうあのスケーティングが見られないのかと思うと寂しいですが、 彼の死を悼むフィギュアスケーターの追悼コメントに 「優しい」「思いやりのある」といった言葉が見受けられたことも、 デニス・テン選手の優れた人柄を表しているように思いました。 ソチ五輪でカザフスタンのフィギュアスケート選手として 初めての銅メダルを獲得したデニス・テン選手。 韓国にルーツがあると打ち明けてからは日韓関係の狭間で対応に苦悩することもあったと思います。 世の中には理不尽なことが多いものですが、 暴漢により前途ある若い選手の未来が奪われてしまったことは本当に残念でなりません。 祖国・カザフスタンに眠るデニス・テン選手に、 遠い日本からお悔やみ申し上げます。- この記事をシェアする
更新日:2020/09/30