IT導入補助金とは?対象・スケジュール・経費等を紹介!
2022/08/26
2024/09/19

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「IT導入補助金のスケジュールについて知りたい…」

「IT導入補助金はどんなものが経費になるのだろう…」

IT導入補助金を導入したいと思われている方はいらっしゃいませんか?IT導入補助金は名前通り、ソフトウェア購入費・クラウド利用料など、ITツール導入を検討されている中小企業・小規模事業者に最適な補助金です。IT導入補助金も他の補助金と同様に対象経費やスケジュールが決められ、申請にあたってそれらをしっかり理解していなければなりません。

今回は、IT導入補助金をテーマにスケジュール・対象経費・審査項目などを紹介していきますので、ぜひご覧ください。

IT導入補助金とは?

通常枠(A・B類型)のIT導入補助金とは、業務の効率化や自社の課題解決のために、ITツール導入にかかる経費の一部をサポートする補助金です。IT導入補助金には通常枠だけでなく、セキュリティ対策推進枠とデジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)もあります。

セキュリティ対策推進枠

セキュリティ対策推進枠は、情報セキュリティに関する事故や攻撃を防ぐために設けられている枠です。サイバー攻撃による生産性向上の阻害・供給制約のリスク低減が目的となっています。

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)は、会計ソフトやECソフトなどの経費の一部を補助し、インボイス対応も見据えた企業間取引の、デジタル化推進が目的となっています。

どのようなITツールが導入可能か?

IT導入補助金で導入可能なITツールは下記の通りです。

・決済・債権債務・資金回収管理

・調達・供給・在庫・物流

・会計・財務・経営

・顧客対応・販売支援

・総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス

・業種固有

・汎用・自動化・分析ツール

取り組みの例として旅館業者を挙げると、

「複数の宿泊予約サイトの情報更新には多くの時間がかかるため、宿泊予約サイトを一元管理できるツールを導入して、タイムリーな更新を実現させる。」

ITツールによってこのような取り組みが可能になります。

IT導入補助金の対象者は?

IT導入補助金は、中小企業等・小規模事業者の生産性向上を図ることを目的としており、IT導入補助金の対象となる中小企業等・小規模事業者の定義は下記の通りです。

中小企業等は以下の表に該当する者を指します。

業種分類資本金又は出資の総額従業員(常時使用)
製造業、建設業、運輸業3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5千万円以下100人以下
小売業5千万円以下50人以下
ゴム製品製造業3億円以下900人以下
ソフトウェア業又は情報処理サービス業3億円以下300人以下
旅館業5千万円以下200人以下
その他の業種(上記以外)3億円以下300人以下

この他に、学校法人・医療法人・財団法人なども同じように、資本金や従業員の数が定義されています。

小規模事業者は以下の表に該当する者を指します。

業種分類従業員(常時使用)
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20人以下
製造業その他20人以下

IT導入補助金の補助対象経費について

IT導入補助金の補助対象経費は下記の通りです。

ソフトウェア購入費・クラウド利用料・導入関連費・デジタル化基盤導入枠はハードウェア購入費も対象

IT導入補助金の補助額と補助率

IT導入補助金の補助額と補助率は以下の通りです。

<通常枠A類型>

補助対象経費区分:ソフトウェア購入費・クラウド利用料(1年分)・導入関連費等

補助額:30万円~150万円未満

補助率:1/2以内

<通常枠B類型>

補助対象経費区分:ソフトウェア購入費・クラウド利用料(1年分)・導入関連費等

補助額:150万円~450万円以下

補助率:1/2以内

<セキュリティ対策推進枠>

補助対象経費区分:サービス利用料(最大2年分)

補助額:5万円~100万円

補助率:1/2以内

<デジタル化基盤導入化/デジタル化基盤導入類型>

補助対象経費区分:ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費等

補助額:3/4以内

補助率:5万円~50万円以下

補助額:2/3以内

補助率:50万円超~350万円

IT導入補助金のスケジュール・締切日

IT導入補助金のスケジュールは下記の通りです。

IT導入補助金申請の流れ

IT導入補助金は、導入したいITツールやIT支援業者を決定し、ホームページから申請に必要な書類を出して、採択されれば活用できます。具体的な流れは下記の通りです。

  1. IT導入支援事業者を決定し、導入したいITツールを選定
  2. 「gBizIDプライム」アカウントの取得、「SECURITY ACTION」の実施
  3. 交付申請(IT導入支援事業者と商談を進め、事業計画を策定し、交付申請をおこなう)
  4. 補助事業の実施(交付決定の後に契約や支払いなどをおこなえます)
  5. 事業実績報告(ITツールの発注・契約・支払いなどをおこなった証拠の提出)
  6. 補助金交付手続き
  7. 事業実施効果方向(補助事業者が申請マイページより情報を入力して提出)

IT導入補助金の注意点について

IT導入補助金は、原則として返済の必要はありません。しかし、不適切な行為や不正行為が疑われる場合には、内容を精査したうえで、交付決定取り消し・補助金の全額返還を求められる場合があります。

IT導入補助金の審査項目

IT導入補助金の審査項目は、大きく分けて「事業面の具体的な審査」「計画目標値の審査」「加点項目に係る取組の審査」となっています。

「事業面の具体的な審査」は、自社の改善すべきプロセスがITツールの導入により期待される導入効果とマッチしているか?自社の経営課題を理解して、具体的な問題意識を持っているか?継続的な生産性向上と事業の成長に取り組んでいるか?などが審査事項になっています。

「計画目標値の審査」は、労働生産性の向上率が審査事項になっています。

「加点項目に係る取組の審査」は、インボイス制度導入に取り組んでいるか?国の推進するセキュリティサービスを選んでいるか?生産性の向上や働き方改革を視野に入れて、国の推進する関連事業に取り組んでいるか?国の推進するクラウド導入に取り組んでいるか?などが審査事項になっています。

これらの審査は、原則として提出された書類によっておこなわれます。

加点項目について

IT導入補助金で採択率を上げたいという場合は、加点を活用することです。

・導入するITツールとして「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を選定していること

・導入するITツールとしてインボイス制度対応製品を選定していること

・導入するITツールとしてクラウド製品を選定していること など

上記のような加点項目を押さえることで採択される確率も上がりますので、申請者は加点のポイントも理解しておきましょう。

まとめ:IT導入補助金とは?対象・スケジュール・経費等を紹介!

いかがでしたか?今回の内容としては、

・IT導入補助金は、業務の効率化や自社の課題解決のために、ITツール導入にかかる経費の一部をサポートする補助金である

・IT導入補助金では、決済・在庫管理・会計といったITツールが導入可能

・IT導入補助金の対象者は、一定の資本金以下、従業員数以下が業種毎に設定されている

・IT導入補助金は、原則として返済の必要はありませんが、不正などによって全額返還を求められる場合がある

以上の点が重要なポイントでした。IT導入補助金の利用を検討される方は、公募要領をしっかり確認して理解することが大切です。

そして、採択率を上げるには加点項目を押さえることがポイントになってきますが、より採択率を上げたいという場合は、プロに申請代行の相談をすることをおすすめします。