こんにちは。
先日に引き続き、いちフィギュアスケートファンとして
独断と偏見に基づき、個人的に気になる選手を思いつくままに紹介してみるこのコーナー。
(趣味の話なので偏りがありますがご容赦ください。)
さて、今回ご紹介するのは先日取り上げた
デニス・テン選手が生前“憧れの選手”として名前を挙げていた
アレクセイ・ヤグディン選手。
ヤグディンが現役で活躍していたのは15年ほど前の事なので
若い人にはピンと来ないかも知れませんが、
高い技術力とドラマチックな演技が魅力で、
「氷上のアクター」とも呼ばれていました。
現役時代、コーチとの師弟関係のもつれから練習拠点をロシアからアメリカに移した後も、
(男子のフィギュアスケート選手はどこか中性的な人も多いなか)
ヤグディンは筋肉質で男らしいパフォーマンスをするので
アメリカでも人気があったと聞いています。
ケガに見舞われ、若干23歳で現役を引退してしまいましたが
当時は同じロシア(旧ソ連出身)で2歳年下のプルシェンコとのライバル関係も熱く、
2002年のソルトレイク五輪でそのプルシェンコとの闘いに勝って
金メダルを首にかけた時の本人の喜びようは半端なかったようです。
(表彰式の動画はここでは割愛しますが、プルシェンコとの不仲が伝わってくるような
ピリピリした表彰式動画として、今もファンの間で語り草になっているとか)
金メダルを決めた2002ソルトレイク五輪でのFS(フリースケーティング)はコチラ↓
(FS:映画「仮面の男」)
ソルトレイク五輪は16年前の採点基準に基づいた演技なので、
今のように要素ごとに出来映えを採点するのではなく、
6.0を満点とする大雑把な審査でした。
ですので、今のプログラムほどの密度はありませんが、
その分自由度の高いプログラム構成が出来た時代でもあります。
オリンピックは万人に分かりやすいプログラムの方が盛り上がると思うので、
この時のヤグディンのプログラムはそういう意味でも大成功だったと思います。
また、羽生選手が現在のフィギュア界を「新・4回転時代」と表現していましたが、
当時も4回転全盛期。
ヤグディンやプルシェンコはそんな時代をリードする選手として4回転をポンポン跳んでいました。
今はルッツ、フリップ、ループ…と、数種類の4回転ジャンプを何本も演技に組み込む選手がいますが、
当時はそこまで4回転の種類が無く、その分
今はあまり見られない4-3-2の連続ジャンプも跳んでいました。
当時のヤグディンのステップは、
今と比べるとそこまで技術的に難しいものではないと思うのですが、
演技に合ったステップで見た目も華やか、何より視聴者が楽しめる独創的なステップでした。
また、オリンピックのSP「Winter」では演出として
スケートの刃でリンクの氷を削り、それをすくいあげて雪を演出するシーンがありました。
(下のソルトレイク五輪SP動画で0:50から)
誰も思いつかなかった演出で当時話題になり、
日本各地のスケート場ではヤグディンの仕草を真似る子供たちが急増したと聞いたことがあります。
さらにジャンプにも注目すると、
浅田真央さんの代名詞で有名になった「3A(トリプルアクセル)」
ヤグディンも3Aが得意な選手で、「世界一美しい3A」と言われることもありました。
今見てもジャンプが高いんですよね。
他にもジャンプで凄いと思うのはルッツ。
一般的にルッツジャンプは助走が長くなりがちなのですが、
ヤグディンのルッツは助走が短いのが特徴です。
(下のソルトレイク五輪SP動画で2:16からのジャンプ)
2002ソルトレイク五輪でのSP(ショートプログラム)(SP:Winter)
※ルッツジャンプとは何ぞや?という方は以下のサイトを参考にしてみてください。
https://yossense.com/lutz-jump/
ここまでの内容でヤグディンが優れたスケーターだったことが(ある程度)伝わったかと思いますが、
良いパフォーマンスはクリエイターにも刺激を与えるのか、
動画サイトでは彼の名演技として以下の動画も人気のようです。
ソルトレーク五輪のエキシビションでのパフォーマンス「over come」を基に
誰かが合成した動画のようですが、youtubeで85万回再生されるとは、考えた人天才ですね。